鎌倉駅西口を出ると空が広く「気」がよいのを感じます。すれ違う人々はどこか明るく、特別な場所に来たという感覚が湧いてきます。ロータリーを抜け紀伊國屋前の交差点を曲がり線路沿いを北鎌倉方面へ。海を背にして山へ向かいます。名所を訪ねる人力車が走っていたり、英勝寺や小さな祠の前を通ったりと観光気分を味わいながら進みます。

社寺仏閣が点在し、洞窟や道端にはお地蔵さんが祀られています。夕方のお寺の鐘の音は抒情的です。日常に根付いた信仰を感じ心が安まります。

扇ガ谷4丁目エリアに入ってからは緩やかな坂道を進み、最後は70段近い階段に入ると空気が変わります。映ろう木漏れ日、木や土の薫り、鳥の囀りや虫の声、リスの啼き声、遠くから聞こえる電車の音やお寺の鐘の音、お豆腐屋さんのラッパ、時には山の上から誰かの歌や笛の練習が、、、どこか懐かしく心地のよい音が山にぶつかり響きます。
この階段から、ここまでとは違う五感がひらく『谷戸の風まかせ』の世界に入ります。

階段の途中で道が分れます。左が「そらあな」右が「たにまど」へと向かうアプローチです。樹々の中で精霊に出会えるのでは、、、と、スピリチュアルな気分です。
そらあなと通じる階段